ヴァンパイアの花嫁
「もしかして……レオンのお父様が?」


そう思った時、気を失いかけそうなほどの痛みがティナを襲った。


ズキッ!


突然の引き裂かれるような胸の痛み。


「うっ……」


痛みが止まるように息を止める。





「どうかなさったの?」


身体を折り痛みを堪えるティナの頭の上に、アメリアでない女性の声が聞こえた。


カサンドラだ。


身体をやっとのことで起こすと、エメラルドグリーンの瞳と目が合った。


「カサンドラさん……」


突然現れたカサンドラにティナは痛みを堪えながら見た。




< 416 / 487 >

この作品をシェア

pagetop