ヴァンパイアの花嫁
意識を取り戻したアメリアがおそるおそる、こわごわとベッドに近づく。


「まさか!」


アメリアがぐったりと意識のないティナを見て悲鳴をあげた。


「ティナ様っ!」


自分が意識を失っている間にこんな有様になっていたなんて……。


「ティナ、ティナ!目を開けるんだ!」


レオンがティナの頬を軽く叩く。


生気を送り込まれたティナの目がうっすらと開いた。


「レ……」


か細いティナの声。


口が聞けるだけでも奇跡だ。


しかしすぐに目を閉じてしまう。


「ティナ、ティナ、だめだ!逝ってはいけない!」


レオンは自分の首を爪で傷をつけた。


それからティナの身体を抱き上げて自分の首から血が流れる場所へティナの口をつける。



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