ヴァンパイアの花嫁
「アメリアさん……レオン様は……?」


「レオン様はご実家へ行かれました。おそらくご結婚話ではないかと」


アメリアはそっけなく答えると部屋を出て行った。


レオン様にご結婚話……。


シェリルは胸がえぐられるような感覚に顔を歪めた。


余計な話などしないアメリアだが、今回に限ってはご主人様の話をシェリルに教えた。


ご主人様を慕っている少女がショックを受けると知って言った。


意地悪だとわかってのことだ。


レオンがこの少女に惹かれていることに納得いかないアメリアだった。


悲しめばいい。


少女の悲しむ顔を見ることで少しは気分が良くなる。








< 86 / 487 >

この作品をシェア

pagetop