緋色の勇者、暁の聖女
エピローグ
◇
「――――……くん」
人の話し声が聞こえる。
辺りは、ざわざわとした雰囲気。目を閉じていても分かる、顔に光が当たりジリジリと焼けつく様な暑さ。湿気を含んだぬるい風が頬を撫でた。
暑い……
どこかで同じ想いをしたような気がする。
暑い……
「――――……か…き……くん」
ああ……全部夢だったのかな。
魔法の世界も、悪魔や聖女。僕はずっと夢をみていたのかな。ここは何処だろう。
そばにいるのは、誰だろう……?
「神無月君!」
いきなり大きな声が耳に飛び込んできた。驚いて目を開けると、そこには――――
「神無月君! ああ、よかった! やっと目を開けてくれた!」
泣きそうになっている少年。
ああ、覚えている。彼は同じクラスだった。
まだぼんやりとした頭を抱えながら、僕は半身を起こした。
ここは――――学校の屋上……!
僕は帰ってきたんだ!
ぐるりと見回すと、レイといたあの屋上に僕はいた。着ていたはずの緋色の服も、いつの間にか学校の制服に変わっている。
やっぱり……夢だった……?
「大丈夫? 神無月君?」
クラスメイトが心配そうに、僕の顔を覗き込んだ。
「あ……うん。僕、どうしたんだろう?」
「終業式が終わってここに来たら、神無月君が倒れてたんだ。式にも出てなかったし、熱中症でずっとここに倒れてたのかと思って……」
「え……ちょっと待って? 終業式って……今日?」
「――――……くん」
人の話し声が聞こえる。
辺りは、ざわざわとした雰囲気。目を閉じていても分かる、顔に光が当たりジリジリと焼けつく様な暑さ。湿気を含んだぬるい風が頬を撫でた。
暑い……
どこかで同じ想いをしたような気がする。
暑い……
「――――……か…き……くん」
ああ……全部夢だったのかな。
魔法の世界も、悪魔や聖女。僕はずっと夢をみていたのかな。ここは何処だろう。
そばにいるのは、誰だろう……?
「神無月君!」
いきなり大きな声が耳に飛び込んできた。驚いて目を開けると、そこには――――
「神無月君! ああ、よかった! やっと目を開けてくれた!」
泣きそうになっている少年。
ああ、覚えている。彼は同じクラスだった。
まだぼんやりとした頭を抱えながら、僕は半身を起こした。
ここは――――学校の屋上……!
僕は帰ってきたんだ!
ぐるりと見回すと、レイといたあの屋上に僕はいた。着ていたはずの緋色の服も、いつの間にか学校の制服に変わっている。
やっぱり……夢だった……?
「大丈夫? 神無月君?」
クラスメイトが心配そうに、僕の顔を覗き込んだ。
「あ……うん。僕、どうしたんだろう?」
「終業式が終わってここに来たら、神無月君が倒れてたんだ。式にも出てなかったし、熱中症でずっとここに倒れてたのかと思って……」
「え……ちょっと待って? 終業式って……今日?」