緋色の勇者、暁の聖女
やがて洞窟の入り口が見えた。男の子はまだ僕たちに着いて来ていた。さすがに中へは入れられ無いと、レイは男の子にキッパリと言った。
「ごめんね、本当にダメなの。これから儀式をしなくちゃいけないから、一緒には入れないんだよ」
「……じゃあ! ここで待ってる! お前たちがちゃんと戻ってくるまで、ここで待っててやる!」
「うん、分かった。じゃあ、約束。ちゃんと戻ってくるよ」
レイと男の子は、そう約束を交わしていた。
洞窟の中へ入ると、空気が一変した。
薄暗くひやりと湿った空気。洞窟だからもっと荒れ果てているかと思っていたが、意外と整備されていた。足場は石畳で敷き詰めてられているし、所々の壁には小さな灯りを灯せる様になっている。
迷路のような通路をぐるぐると辿り、どのくらいの時間歩いたのか分からなくなった頃やっと、大きく開けた場所に出た。
そこは、聖堂のホールよりもずっとずっと広い。その中央には太い巨大な石の柱が洞窟の天井に向かって伸びている。柱の中心には、眩しい程に輝く大きな魔法石がはまっていた。
「ここがオプトゥニールの祭壇だよ。あの石は、太陽の魔法石って呼ばれてるの。だから、太陽の祭壇とも言われてるんだよ」
レイがその大きな柱を見上げながら教えてくれた。
薄暗い洞窟の中で明るく輝く『太陽の魔法石』は、聖剣オプトゥニールに力を注ぎ込み、希望を指し示すという。
その光は力強いけど、優しくて温かく、本当に太陽みたいだった。
「――――じゃあ、始めようか」
レイのその言葉に、僕は聖堂を旅立ってから初めて、オプトゥニールを鞘から抜いた。
「ごめんね、本当にダメなの。これから儀式をしなくちゃいけないから、一緒には入れないんだよ」
「……じゃあ! ここで待ってる! お前たちがちゃんと戻ってくるまで、ここで待っててやる!」
「うん、分かった。じゃあ、約束。ちゃんと戻ってくるよ」
レイと男の子は、そう約束を交わしていた。
洞窟の中へ入ると、空気が一変した。
薄暗くひやりと湿った空気。洞窟だからもっと荒れ果てているかと思っていたが、意外と整備されていた。足場は石畳で敷き詰めてられているし、所々の壁には小さな灯りを灯せる様になっている。
迷路のような通路をぐるぐると辿り、どのくらいの時間歩いたのか分からなくなった頃やっと、大きく開けた場所に出た。
そこは、聖堂のホールよりもずっとずっと広い。その中央には太い巨大な石の柱が洞窟の天井に向かって伸びている。柱の中心には、眩しい程に輝く大きな魔法石がはまっていた。
「ここがオプトゥニールの祭壇だよ。あの石は、太陽の魔法石って呼ばれてるの。だから、太陽の祭壇とも言われてるんだよ」
レイがその大きな柱を見上げながら教えてくれた。
薄暗い洞窟の中で明るく輝く『太陽の魔法石』は、聖剣オプトゥニールに力を注ぎ込み、希望を指し示すという。
その光は力強いけど、優しくて温かく、本当に太陽みたいだった。
「――――じゃあ、始めようか」
レイのその言葉に、僕は聖堂を旅立ってから初めて、オプトゥニールを鞘から抜いた。