緋色の勇者、暁の聖女
レイは僕の分からない言葉で、難しい呪文のような祈りを太陽の魔法石に捧げた。そして彼女に言われ、僕がオプトゥニールをそれに向かって高く掲げると、剣と石が共鳴しはじめた。
持っている手にビリビリと痺れるくらい、オプトゥニールと太陽の魔法石の力が感じられる。
やがて太陽の魔法石の光が強くなり、オプトゥニールはそれを目指すように浮上して僕の手から離れる。光と剣が交わった瞬間、辺りは一面強い閃光に包まれた。
目を開けていられない程の強い光はやがて治まり、ゆらゆらと揺れながら落ちてきたオプトゥニールは、また僕の手に戻った。
光のせいで少し熱を持ったオプトゥニールの柄の部分には、太陽の魔法石と同じ輝きを持った石がはめ込まれていた。
「――――出来たね。これでオプトゥニールは君の剣になったんだよ」
全てが終わると、レイが嬉しそうに笑って言った。
「僕の、剣に……?」
うなずくレイを見ながら、オプトゥニールを握ってみた。
柄の部分は手によく馴染み、今まで感じていた重さがまるで羽のように軽くなっていた。そして何より、剣から力が体に注ぎ込んでくるみたいで、僕は強くなったような気持ちになる。
これが、聖剣の力?
「ね、ね! 何か変わった? あたしにも見せてよ!」
カナリが好奇心旺盛に言ってくるので、仕方なく剣を渡すと、彼女は持った瞬間その重さに尻餅をついた。
「おっも~い! 何これ?! ヒイロはあんなに軽々持ってたのに!」
カナリがよろよろと剣を持ち上げながらそう言ったので、レイの言った『僕の剣になった』という言葉の意味が分かった気がした。
◇
持っている手にビリビリと痺れるくらい、オプトゥニールと太陽の魔法石の力が感じられる。
やがて太陽の魔法石の光が強くなり、オプトゥニールはそれを目指すように浮上して僕の手から離れる。光と剣が交わった瞬間、辺りは一面強い閃光に包まれた。
目を開けていられない程の強い光はやがて治まり、ゆらゆらと揺れながら落ちてきたオプトゥニールは、また僕の手に戻った。
光のせいで少し熱を持ったオプトゥニールの柄の部分には、太陽の魔法石と同じ輝きを持った石がはめ込まれていた。
「――――出来たね。これでオプトゥニールは君の剣になったんだよ」
全てが終わると、レイが嬉しそうに笑って言った。
「僕の、剣に……?」
うなずくレイを見ながら、オプトゥニールを握ってみた。
柄の部分は手によく馴染み、今まで感じていた重さがまるで羽のように軽くなっていた。そして何より、剣から力が体に注ぎ込んでくるみたいで、僕は強くなったような気持ちになる。
これが、聖剣の力?
「ね、ね! 何か変わった? あたしにも見せてよ!」
カナリが好奇心旺盛に言ってくるので、仕方なく剣を渡すと、彼女は持った瞬間その重さに尻餅をついた。
「おっも~い! 何これ?! ヒイロはあんなに軽々持ってたのに!」
カナリがよろよろと剣を持ち上げながらそう言ったので、レイの言った『僕の剣になった』という言葉の意味が分かった気がした。
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