Hey girls!調子はいかが?

「晴ちゃん、調子悪そうだもんねぇ。」


げ…。


「そんな事ないもん。」

「だって一回起きたけどすぐにまた寝ちゃったんでしょ?普段なら寝起きはいいのに。」

「…まだ寝たかっただけ。」

「そんなこと言ってー。顔色もしっかり悪いんだから、騙されません!」

「ええー!」

「つべこべ言わずにやるよー。楓、バイタルよろしく。晴ちゃんは熱計るー。緩く挟んだらだめだからね?」


げ、こわ…。琴美先生の目がギラギラしてるよ。


「じゃあ音聴かせてね。」


私の許可なく勝手に病衣開いてるしさ…。

長い長い琴美先生の聴診の最中に体温計が鳴る。琴美先生が前にいるから自分で体温計抜けない…。これはまさか…。


「晴ちゃん、ちょっとごめんねー。」


うわー、私もやられた!しかも初めましての楓先生に体温計抜かれるって…!

楓先生、私の体温見ながらなにか書き込んでるし…。


「次背中ー。ちょっと失礼。」


こっちはこっちでマイペースに進めてるし…。もしかして楓先生と琴美先生ってナイスペアな上にマイペースが重なってこっちからは一切抵抗出来ないんじゃないだろうか…。

はあ。

諦めのため息を心の中でつく。


「はい、お疲れさーん。楓、体温いくつだった?」

「38.3です。」

「あれれ、あんまり夜中から変わってないね。」

「夜中?」

「そうそう、1回心配で計ったんだよ。」

「全然気づかなかった…。」

「それならいいんだけどね。晴ちゃん、喘鳴も酷いよ。息苦しいでしょ。」

「うん、まあね。」


どうせバレてるし、もういいや。


「さて、楓も聴いてみて。」


そういえばそんなことも言ってたな…。仕方ない、受け入れるしかない…。


「ちょっとごめんねー、冷たいよー。深呼吸してね。」


無心で深呼吸。痛くはないけど嫌なものは嫌だから、考えたら負け。


「はい、おわり。ありがとね。」

「いえ。」

「さて、楓ならどうする?」

「夕方にネブライザーするってカルテには書いてありましたけど、朝もした方が良いのでは。」

「そうだね、私もそう考えてたよ。そういう事だから晴ちゃん、朝ごはん食べたら吸入しに行くよ。」

「えええ…。」

「まあまあ。とりあえず食べなさい。私たちは瞳ちゃん起こして来るから。」

「わかった…。」
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