Hey girls!調子はいかが?

ボソボソと朝ごはんを口に入れる。

食欲がある訳では無いけど、体力なくなっても困るから食べられるだけ食べる。
まだ食べられるだけましか…。あんまり酷い時だと、ご飯が喉を通らなくなる。


琴美先生が瞳を起こしてる声が聞こえる。なかなか起きない。
しかたない、いつもの事だけど瞳は寝起きが悪いからね。


「だめだ、私このまま起こし続けるから楓は瞳ちゃんの血圧測って。」

「わかりました。」


いや、でもいくらなんでも寝起き悪すぎじゃない?いつもこんなんだっけ?
お泊まり会したの、だいぶ前だからなんとも言えないけど…。


「こと先輩、血圧めっちゃ低いです。88-52です。」

「やっぱりこの子低血圧だね。」

「そうなんですか?」

「昨日もやたらと低かったんだよ。瞳ちゃーん、起きてー!」

「あ、やっと起きた。」

「あーよかった!おはよう、瞳ちゃん。」

「おはようございます…。」

「ダメダメ!また寝たらダメだよー。もうすぐ9時だから。はい、体起こすー。」

「んー…。」


無理やりベッドを起こされたらしい。


「しっかり目覚ましてー。その間に熱計ってね。」

「眠い…。」

「寝たらだめだよー。生活習慣乱したら大変だからねー。
…あ、鳴ったね。体温計ちょうだい?」

「はい…。」

「あら、瞳ちゃんが自分から体温計渡してくれたの初めてじゃない?」

「そんな事ない…と思います。」

「そう?まあいいや、目覚めてきたね。回診の途中なんだけど、診察していい?」

「…。」

「とりあえず脈取らせてくれる?」

「え?なにこれハアハア、ハアハアハアハア…。」


あれ、もしかしてまた?


「瞳ちゃん、落ち着いて。ゆっくり深呼吸してごらん?」

「瞳っ!」


気づいたら朝ごはんなんてそっちのけで瞳のところに駆け寄ってた。


「大丈夫だから。ゆっくり深呼吸。楓、晴ちゃんお願い。」

「はい。晴ちゃん、大丈夫だから。それより走っちゃだめだよー。」

「だって瞳が…!」

「大丈夫、ほら、治まってきてるから。」

「ほんとに?」

「本当に。だから1度晴ちゃんも戻ろう?朝ごはん途中じゃない?」

「途中だけど…。もうお腹いっぱいです。」

「そっか、じゃあ片付けてもらうね。ほら、瞳ちゃんもう大丈夫そうだから戻ろう?」

「はい…。」


私は何も出来なかった。楓先生に急かされるまま、自分のベッドに戻ったけど、瞳の力になれなくて、自分の無力さを感じた。


「大丈夫だから。そんなに気に病まないで。」


楓先生はそう言ってくれたけど、気持ちは晴れなかった。
< 52 / 110 >

この作品をシェア

pagetop