シェヘラザード、静かにお休み
今朝のラジオで、城近くの丘に遺体が葬られたという。
怪我人はどうなっているのだろうか。反対運動もまだ始まっていない。
「食べる?」
スプーンが差し出される。シーラが微笑んでルイスの方を見た。
「いや、俺はいい」
「あら、美味しいのに」
「よく食べたのか?」
「ええ、子供のときにね」
「子供のとき?」
その質問に、ぴたりと手が止まる。木陰を作っていた木に、小鳥がとまる。
バニラが高価になったのはつい最近のことだ。
一人で働いてぎりぎりで生活していたシーラが、贅沢品を好んで買うのか。