シェヘラザード、静かにお休み
その頃、シーラは昼間の客の多さにあっちこっちと動きまわっていた。
「すみません、注文お願いします」
呼び止められて振りむく。
「はい、ただいま!」
革命を起こそうとしたとは思えないような、良い笑顔である。
眉を顰めたのはイーサンだった。アメリアは何も言わない。
「つまり、わたしが上に立つことで、国を治めると」
「貴方以外にいません」
「ひとつ、聞いて良いですか?」
アメリアは顔を上げる。ルイスは腕時計をちら、と見てからその瞳を見た。