シェヘラザード、静かにお休み

短くなった綺麗な金髪。そういえばシーラの髪は伸びっぱなしのままだった、と思い出す。

「どうぞ」

「どうしてわたしを城に連れていく役割を背負ったのが、貴方たちなの?」

貴方たち、と示されたのはシーラのことも含まれている。
それが少しくすぐったいような。

「シーラは俺についてきてくれてるだけです。俺は、よく遠縁からの厄介事を引き受ける立場にいるので」

「シーラってどこかで」

人差し指が顎に当てられる。イーサンはちらと窓の外を見て、ルイスの方を向いた。

「イーサン、シーラって名前聞いたことない?」

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