シェヘラザード、静かにお休み
いや待て。
"何を"知っているのか。
「ルイスさんはご存知なかったですか?」
まずいことを口走ったか、とアメリアの声は少し固くなった。
「知ってます。彼女は北の孤児院育ちで、親はたぶん、いません」
マイケルから聞いたことを全て信じることは出来ない。
その確証がない。
ルイスの中の記憶があやふやな今、その確認を取ることのできるシーラが攫われてしまった。
「どうしてシーラのことを?」
尋ねた先はイーサンだった。何も知らないと言っていたのはどの口か。
「一応城に出入りする者の記録は俺のところまで上がってきていましたから」