ドクター時任は恋愛中毒
「……俺も、同じだ」
「え……?」
「会えば会うほど、言葉を交わせば交わすほど、愛しさが増す。……もちろん、今もだ」
「時任、せんせ……」
彼女の瞳に映る俺は、自分でも初めて見る、それはそれはくすぐったい笑顔だった。ロボットでもサイボーグでもない、恋に落ちた人間の、幸せに満ち足りた笑顔。
……真帆。この幸せは、お前が教えてくれたんだ。
無言で見つめ合ううち、俺はいつかも感じた強い衝動にかられて、真帆の後頭部に手のひらをあて、ぐっと顔を引き寄せた。そうして口づける直前、ふと思い出してささやく。
「さっきの続きだが……この唇は」
言いかけたところで、真帆の柔らかな唇を自分のそれでふさぎ、一度離してから息のかかる距離で告げた。
「いつでも何度でも、お前にキスをしたがる」
そして再び唇を寄せ、今度は両手でがっちり彼女の顔をつかんでしまうと、俺は彼女の唇や頬、まぶたやおでこ、耳元にまで何度も何度もキスの雨を降らせた。
真帆は蕩けそうな顔で目を閉じ、時おり吐息交じりの甘い声を出しては、けなげにキスに応えてくれた。
ああ……このまま時間が止まってしまえばいいのに。
そう願った時にはもう、観覧車は頂上を過ぎ下降を始めたところ。