漢江のほとりで待ってる

「さて今度は私の番ね。由弦疲れでしょ?先にお風呂入ってゆっくりして?」

言われるまま由弦は、「なんなら~珉珠さんと入りたかったな~」独り言を言いながら、夜景を眺め、ジャグジーバスに浸かっていた。

ふと、由弦の視界に誰かの足元らしきものが入った。

見上げると、珉珠だった。しかも水着姿の。

珉珠はそっと上着を脱いで、由弦の向かいに入った。

黒ベースの大人綺麗なビキニ姿の珉珠。恥ずかしそうにしている。

それを見た途端、由弦は、子供がお宝を発見した時のような笑顔で、珉珠を見つめた。

「もうとっくに忘れられてると思ってたよ~、うやむやにされたと思ってた」

「だって水着姿見せたら許してくれるって言ったでしょ?とても悩んだのよ?もう私四十に向かってるおばさんなんだから」

「おばさんって思ってるのは珉珠さんだけでしょ?オレは思ってないし、それにとても似合ってるし、綺麗だよ」

「そう?ありがとう」

珉珠の水着姿に、由弦は鼻の下を伸ばし、胸元ばかり見ていた。

「もう!胸元ばかり見て、由弦のエッチ!」

照れ隠しに怒って言う珉珠に、にんまり笑う由弦。

珉珠は由弦の顎に手を添えて、視線を自分の方に向けようとするが、「見たい(胸元を)」と言って視線を上げない。

由弦はそっと珉珠に近付いた。

「最高のプレゼントだね、ありがとう」

そう言うと珉珠にキスをした。

吐息と吐息が混ざり合う。

熱い夜になりそうだった。

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