漢江のほとりで待ってる
副社長室に入るなり、
「兄貴どういうことだ!!」
「なんだ藪から棒に。訳の分からないことを」
「CMの件だよ!!知らないとは言わせないよ!」
「あぁ~、そのことか。少し問題が生じたんだ。それでちょっと延期になった。クライアント側がストップを掛けて来た、だからだ」
「今頃!?そのままでCMもOKだと言ってくれてたのに!?」
「そういうこともこの業界ではよくある話だ!とにかく、しばらくは延期だ!お前はAwakenのコラボの方に専念しろ!いいな!」
「……!!」言葉を飲んだ由弦。
尋常でない様子に珉珠も入って来た。
何も言わず副社長室をあとにした由弦。
追い掛ける珉珠。
「専務何事ですか!?」
「CM作成の件が流れた」
「えっ!?どういうこと!?」
「オレにも分からない!クライアント側が今になって物申して来たらしい。うち(B.A.B)は、特にインターネットの分野に特化している……うちの特徴を把握されての依頼だと思っていたのに。はぁ~、プレゼンの意味は何だったんだ!何で兄貴は食い下がったんだろ。らしくない」
頭を抱える由弦に珉珠も寄り添う。