【短】大ちゃん先輩はカッコ悪い!


 いつものように図書室で待とうとしていたら、教室に大ちゃん先輩が現れた。


 クラスまで来るなんて初めてであまりに恥ずかしかったから、手を引っ張って空き教室まで走った。



「いきなり教室まで来ないでください」

「気になって部活集中出来ないから」

「そんなの知りません。部活に行ってください」



 突き放すように言ってしまうのはどうしてだろう。一分でも、一秒でも一緒にいたいはずなのに。


 大ちゃん先輩のことが好きなくせに、どうしてわたしは困らせることばかり口にしてしまうんだろう。


 本当にわたしってカッコ悪い。

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