【短】大ちゃん先輩はカッコ悪い!
「瀬名ちゃん、濡れちゃうよ」
「大ちゃん先輩はカッコ悪いです」
強く降り出した雨に逆らうように、わたしは大声を張り上げる。
自然と涙が零れた。
「だから好きなんです!」
もしも当たり前にカッコよく、スマートに何もかもこなせるような人だったら、わたしは惹かれてなかったと思う。
ぬけてるくらいがちょうどいい。その方が人間味があってあたたかいから。
わたしは先輩なのに、少し残念な大ちゃん先輩が一番好き。
「夏の大会にはもちろん出て欲しかったし、わたしだって本当はプレイしてる大ちゃん先輩が見たかったです。だけど……」
「瀬名ちゃん」
「好きなバスケをしてる大ちゃん先輩が好きなんです! 例えベンチにいたとしても、好きなんです!!」