人色-hitoiro-

一歩‥また一歩と‥海に向かって
足を進める。‥もう迷いなんてなかった。

決めてたから、ずっと。
俺が大学生になった時
2人の命日に俺も逝こうと決めていた。

ーバシャバシャバシャバシャ

後ろから聞こえる水を切る音。
その音が俺のそばで聞こえなくなると
誰かが俺を抱き締める。
それが誰なのかなんて
考えなくとも分かる。
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