指輪の光る先
先生と私
朝起きてご飯を食べて家を出る。
今日も会える、朝から笑顔でおはようって言ってくれる先生。
太陽みたいな笑顔で挨拶をしてくれる先生。

私の大好きな神崎先生。

「おはよう、花園。」

「おはようございます、神崎先生。」


こんなにも好きなのに。
なのにどうしてあの薬指の指輪に繋がっているのは私じゃないんだろう?

「花園、また連絡するよ。」

「…はい。」

こんなにも先生と私の距離は近いのに、なんで先生と結ばれたのは私じゃないんだろう?

こんなにも愛されてるのに。


「…先生、人が来ちゃいます。」

「…ごめん、キスしたくなって我慢出来なかった。」

「…先生好きです。」

「俺もだよ、薫。」


私の左手にキスをしてにっこり微笑む先生。
まるで結婚式の誓いのキスね。

でも病めるときも健やかなるときも愛し合うと誓ったのは私じゃない。

黒板を書く指とは反対に降ろされた左手にはキラキラ光る指輪。


「辛いなぁ。」
< 1 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop