近づいてよ
照れくさそうにした修太郎さんが
ふと真顔に戻った

「幼馴染がいるんだよね、そう言えば…」

「ええ…年季の入った幼馴染です」

離れたくても離れられない幼馴染です……

「年季の入ったって……お隣さんなんだっけ?」

「はい、生まれる前から隣に住んでまして…兄弟のようなヤツですけど…」

(ウソ……親しいには親しいけど…私は光が好きだから決して兄弟なんかじゃない)

私の言葉に修太郎さんは……何やら小さく呟いた

「そっか…今度よかったら会わせてよ」

「え?」

修太郎さんはおもむろに私の手を握る

キュッと握られたその手の温もりに安心感があり
嫌な感じが一切しない

それは大きい手だから?…それとも…

そんな考えを巡らせていると

「奥さんになる人の兄弟に会いたいのは普通じゃないか?」

修太郎さんが微笑んだ

『奥さんになる人』

確かに結婚を前提に付き合い始めた私たちだけれど

……改めて言われるとドキドキしてしまう

「そ、そうですよね……」

「うん…それにご両親にもね挨拶に行きたいなと思ってる、美空との結婚の許可をいただかないとな」

「う、ん…」

まだ自分の気持ちも固まって居ないのに

結婚の話が出ると戸惑ってしまう、でも

(付き合うって決めたのは私だもん)

今さら怖じ気づく必要なんてない



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