近づいてよ
付き合い初めて1ヶ月

だいぶお互い慣れてきた気がする

修太郎さんは優しいし誠実だった

それはあの初デートの日から変わらないし
仕事では以前と変わらず厳しくも良い上司で

「田仲!例の企画の確認!これじゃあ会議で指摘されるぞ」

「はいすぐ確認します」

「企画書をオレに回す段階できちんと不鮮明な点は潰しておかないとな」

「申し訳ありません」

「次は頼むぞ」

恋人だからって甘やかすことは無い

だけど……ちょっと変わった事と言えば

「美空…お疲れ様」

「お、お疲れ様です…」

ランチタイムに私がお弁当持参で…晴れた日は会社から少し離れた場所にある公園で食べていたのだけれど
そこに修太郎さんもひょっこりと現れて

一緒に休憩することがある位か

「修太郎さん料理も出来るんですね?」

「いやぁただ飯炊いて、冷凍食品詰めてくるだけだよ」

それでも独身男性にしたらマメなのかなぁって思う

しかも玉子焼やらウィンナーやら野菜も入ってるし……

ちゃんと作ってる感じだ

「美空だって自分で作ってるんだろ?」

「母も働いていて朝早いですし、節約にもなりますからね」

「そういう、なんだろうな若いのに地に足ついてる感じが…好きだなって思う」

そう言うと修太郎さんは隣から手をすっと伸ばして…私の手の甲を撫でた

二人きりになると修太郎さんはいつもこうやって
甘く好きだと言ってくる

「有難うございます…」

見上げると

「あんまり可愛い目で見るなよ…キスしたくなるから」

「え」

「外じゃ出来ないだろーが」

なんて言うし……

「か、わいくないです!」













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