〜starting over〜

玲奈ママはシングルだったから、朝から晩まで仕事で留守がちだった。
私の両親も自営だから両親は留守がちで。
それでも、夕食時には私のお母さんがお惣菜の残りを持って帰ってきてくれて、3人で食事をするのが定番だった。

だから、ずっと一緒。
お互い、本当の家族よりも一緒の時間を過ごした。

小学校の時に流行った漫画でも、好きなヒーローも一緒で、音楽の好みも一緒だった。
高学年になる頃には一緒に吹奏楽に入って。
中学でも吹奏楽を続けて、結果はだせなかったけど、踊るようなステップを踏んで演奏するマーチングを楽しんだ。
ある時、たまたま見た動画でローズパレードを知って。
沿道の人達が楽しそうな姿と、演奏しながら人を楽しませるパフォーマンをするキラキラした世界に憧憬し。
いつか私達もあそこに立てたら、と夢見てた。

ずっと一緒だった。
何もかもが一緒だった。

別に約束があるわけじゃないけど、このままお婆ちゃんになっても一緒に居られる気がしてた。
中学校で、真輝と出会って。
最初はほんわか柔らかい雰囲気で、隣の席で話してるだけで楽しかった。
真輝はダンス部に所属していて、ステップとかマーチングで役に立つような気がして、空いてる時間はダンスを教えてもらうようになった。

それが始まりだった。

少しして、真輝に告白されて、私達は付き合うようになった。
好みのタイプも似ていた私と玲奈だったけど、二次元の好みは違ったらしく、付き合う報告をしたらとても喜んで祝福をしてくれた。
私と玲奈、真輝。
真輝の親友の島田君。
4人はいつも一緒だった。
だから、同じ高校を受験して。
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