イジメ返し3
「何かお探し物ですか?」

カンナに笑顔を浮かべた店員が声をかける。

「うーん、まだ悩んでるので軽くお店の中見ててもいいですか~?」

「もちろんでございます。何か御用があればいつでもお申し付けください」

店員がカンナに頭を下げた時、ふいに視線を隣にいるあたしにスライドさせた。

それは本当に一瞬だった。

けれど、店員はあたしのことをじっと凝視した後、店の奥の他の店員の元へ駆けていく。

マズい。以前バッグを盗んだことがバレたのかもしれない。

価格帯の高いこのお店に女子高生が入ること自体珍しいだろう。

「ねぇ、カンナ。ちょっとあたし用事思い出しちゃったんだよね」

慌ててカンナにそう告げた時、カンナはにっこりと笑ったままこう告げた。

「ふふっ、ごめんねぇ、砂羽ちゃん。実は砂羽ちゃんに嘘をついてることがあるの」

「え……?」

「カンナねぇ、本当はカンナのSNSを荒したのが砂羽ちゃんだって昨日の時点で分かってたの。クラスのみんなのお金を盗んだのも砂羽ちゃん……正確には美波ちゃんと砂羽ちゃんだよね。昨日の砂羽ちゃんのアカウント見てすーぐに分かったよ。分かりやすくお金使いすぎだよぉ~」

カンナの言葉に唖然とする。

どうしてそれを……!?

「あっ、どうしてって思ってる~?砂羽ちゃん、ネットの世界は匿名だとしても、やろうと思えばいくらだってそれが誰か特定できちゃうんだよ。怖いねぇ~!」

「あ、アンタ……何が言いたいのよ」

「カンナ、一度砂羽ちゃんに謝る機会をあげたのにぃ。残念でした!」

カンナは楽しそうにケラケラと笑っている。
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