イジワルな彼は私を溺愛しています ②

青春

翌朝の9時50分。

私は眠い目を擦って学校に向かう。

「ふぁ」

何度目かのあくびが出る。

「大丈夫か?」

和海が私の頭を撫でながら聞いてくる。

「…うん」

元はと言えば激し過ぎた和海のせいだ。

何回ヤればいいのかというくらいだった。

「ダンスの練習がなくてよかった」

「確かにな。まあ、生徒会も大変だが」

そう言って和海は生徒会室の扉を開けた。

「おはよー。今日も頑張ろうねー」

昨日と変わらないテンションで川谷先輩が言った。

「ああ」

和海の返事は素っ気ない。

私も「よろしくお願いします」とだけ言ってパソコンを起動させた。

今日は制服のボタンをきっちりしめている。

昨日の夜、和海に体中にキスマークをつけられたからボタンを開けると見えてしまうのだ。

「元気ないですけど、大丈夫ですかー?」

「春樹がありすぎんの。なんでこの地獄のような仕事でテンション高いのかしりたいわ」

小嶋先輩が言った。
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