イジワルな彼は私を溺愛しています ②

「そうかなー?」

「春樹。俺、有紀のダンスだけ見れるようにしろって翔に言っといたからスケジュールよろしく」

和海がキーボードを打ちながら言った。

「会長、それは難しいですよー。多分水沢さんのクラスのダンスの公演は一日一回やるんですよー」

「え?そうなんですか?」

聞いてないですネ。

「そうだよ。全校の四分の一の人に言われちゃこっちも無視できないしね」

加賀田先輩が言った。

「四分の一??」

「ああ、男子が水沢さんのダンスと聞いて署名活動を始めて四分の一の署名が集まった。それと一緒に要求してきたのがそれ。クラスにはまだ言ってないな」

渡辺先輩が言った。

「そんなことが………」

今更ながらに私はこの学校で相当目立つ存在らしい。

「カズは全部行くわけ?」

「当たり前だ。有紀に変な虫が寄るかもしれないだろ」

「ですから会長ー。それは無理ですよー。それに水沢さんは客寄せ係なんですよ。もう、腹をくくってくださいー」
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