イジワルな彼は私を溺愛しています ②

私は目を開けた。

いつの間にか寝ていたらしい。

「有紀」

呼ばれた方を向くと和海がいた。

「生徒会室に戻るぞ」

「…分かった」

和海は私の返事を聞いて、私をそっと床に落とした。

私が寝ている間ずっとお姫様抱っこしてくれていたんだろう。

「ありがと」

きっと重かったのに。

「何がだ?いいから行くぞ」

和海は私の手をひいて歩き出した。

「どんくらい机を運び出せばいいかな?」

「20くらいでいいんじゃないか」

「絶対足りないよー。50はないと」

「そんなに必要か?」

皆の話し声が聞こえてくる。

和海は生徒会室の扉を開けた。

「あ、やっと会長が来た」

小嶋先輩が言った。

「ああ、話しはどこまで進んだ?」

和海は当然のように私を膝の上に置いて席についた。

「裏方は恭也と大輝と俺。接客は春樹と正樹と会長と水沢さん」

小嶋先輩が言った。

「私はやりませんよ?」

ちゃっかり私の名前を入れた小嶋先輩に私はつっこんだ。

「えー、水沢さんやんないの?てっきり会長が水沢さんの案だっていうからやりたいかと思ったのにー」

川谷先輩が言った。

「私は案を出しただけです。後夜祭は亜矢達と楽しみます」

接客なんて冗談じゃない。

生徒会役員と私。

絶対釣り合ってないし、女子から殺されるのは確実。
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