イジワルな彼は私を溺愛しています ②

準備も最後ですね

うーん、と伸びをして起きた。

周りを見て、そういえば保健室で寝たんだったなと思い出した。

「和海…」

和海が寝ていたはずのベッドには誰もいない。

ちょっと寂しさを感じて、私は生徒会室に向かった。

「和海ぃ」

生徒会室の長机に皆座って話し合いをしていた。

その全員が私を見るが、私は和海しか見えていなかった。

「和海ぃ」

ふらふらと歩いて和海の背中に抱きついた。

「……有紀」

「なあに?」

呂律がまわっていない。

「ちょっと行こうか」

「どこにぃ?」

「いいから」

和海は席を立って、私をお姫様抱っこして生徒会室から出た。

「和海ぃ」

いきなりキスをされた。

「はぁ、もう可愛すぎ。どうして、酔ったみたいになってる?」

「和海がいなかったぁ」

「……ああ。有紀の方が毎朝起きるの早いから、起きて俺がいないのが慣れてなかったのか…」

「うん……和海ぃ」

私はもっと満たされたくて、和海にしがみついた。

「もう少しこのままでいるか…」

和海は私の頭を撫でて言った。
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