黒
「瑞希、おはよ」
高くもなく低くもない、どこか中世的な甘い声。
この声の持ち主が誰か、私には一瞬で分かった。
私の大好きな、あの声だ。
「…おはよ、美波」
振り向くと、絵に描いたような美少女が立っていた。
栗色の毛先がくるりんとカールした鎖骨ほどの髪。
白く、少し頬が紅く色づいた肌。
淡い桃色の薄い唇。
長くぱっちりとカールした睫毛に、大きなくりっとした瞳。
少しだけ唇の端を上向きにして、こちらを見つめている。
思わず見惚れてしまうほど綺麗だった。
顔が熱くなるのを感じて、反射的に顔を背けてしまう。
「…きょ、教室…行こ?」
顔を背けたことが恥ずかしく、噛み噛みながらに嘴る。
美波は最初はキョトンとしていたが、やがて全てを見透かしたようにふふっと笑ってから
「…うん、そうだね」
と言って先に駆け出した。
「え…ちょ、ちょっと…美波っ?」
慌てて駆け出しても、もう美波の姿は無かった。
高くもなく低くもない、どこか中世的な甘い声。
この声の持ち主が誰か、私には一瞬で分かった。
私の大好きな、あの声だ。
「…おはよ、美波」
振り向くと、絵に描いたような美少女が立っていた。
栗色の毛先がくるりんとカールした鎖骨ほどの髪。
白く、少し頬が紅く色づいた肌。
淡い桃色の薄い唇。
長くぱっちりとカールした睫毛に、大きなくりっとした瞳。
少しだけ唇の端を上向きにして、こちらを見つめている。
思わず見惚れてしまうほど綺麗だった。
顔が熱くなるのを感じて、反射的に顔を背けてしまう。
「…きょ、教室…行こ?」
顔を背けたことが恥ずかしく、噛み噛みながらに嘴る。
美波は最初はキョトンとしていたが、やがて全てを見透かしたようにふふっと笑ってから
「…うん、そうだね」
と言って先に駆け出した。
「え…ちょ、ちょっと…美波っ?」
慌てて駆け出しても、もう美波の姿は無かった。
