極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
彼が帰ってくる日は、朝からそわそわしてしまって残業することなくまっすぐ帰路についた。

夕方の便だからそんなに早く帰ってこないのに。部屋を念入りに掃除したり、シーツを新しいものに替えたり、すこしでも居心地よくしようととにかく手を動かす。

彬良くんから『今、空港に着いた』『レーンで荷物出てくるの待ってる』『早く帰りたいから、タクシー使うことにした』とマメに連絡が入るから、5分おきにスマホをチェックしてしまう。
早く会いたいよ———

インターフォンが鳴るなり飛びついて解錠ボタンを押す。
ドアを開けるや、彬良くんが靴を脱ぐのも待ちきれず玄関でしがみついてしまった。彼はしっかり抱きとめてくれて、そのまま無言でしばらく抱き合った。

「・・・会いたかった」
安堵と喜びに涙がにじむ。

やああって、「たまには家を空けるのも悪くないな」という彼の言葉。

「なんで」
見上げたけれど、彬良くんの腕の中だから彼のあごが視界に入っただけだった。

「こんな可愛いそよかが見られるんだから」

「・・・彬良くんのばか」
彼のシャツをぎゅっと握る。
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