極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました


『今日は8時くらいに帰れそう。急で悪いんだけど、夕飯作ってくれる?』
午後彬良くんからそんなメッセージが届いたから、『もちろん』と即レスした。

その日の夕飯には、このあいだの旅行で買った豆皿を使ってみることにした。
プチトマトを湯むきして、めんつゆをゼラチンで固めたジュレとあえる。プチトマトとめんつゆという料理ともよべないようなものだけど、湯むきしてジュレ仕立てにすると、これがおしゃれに仕上がる。もちろんちゃんと美味しい。ちょんちょんと豆皿に盛り付けると、我ながらかわいい一品になった。

豚の角煮にはほうれん草を添えて、彩りよく、と。見た目も味のうちだもんね。

「ただいま」
「お帰りなさい、ご飯できてるよー」
彬良くんを笑顔で迎える。

声を合わせて「いただきます」って言って食べるご飯は、やっぱりひとりの食事よりずっと美味しい。

「豚の角煮、ほろほろでよく味がしみてて美味しい」
「豆皿使ってくれたんだ」
そう口にしながら嬉しそうに箸を動かす彼に、思い切って訊いてみた。

「ねえ、彬良くん、うちの会社がニューヨークに出店するってホントなの? チームのひとが言ってたんだけど」
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