極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
なんでってと、おかしそうに白い歯をのぞかせて言う。
「そよかから呼び出しがくるのって、お願いがあるときだけだろ。誕生日も正月もおめでとうメッセージ一言ですませるのにさ」

「そ、そうだっけ・・」
全身に変な汗がにじんでくる。

「おおかたあれだろ、プレスの北川さんのために、取材受けて欲しいとか、そういう話だろ?」

「う、うん・・」
縮こまりながら答える。
会社では精一杯作っている社会人としての装いなんて、彬良くんの前ではあっけなく消えてしまう。

「今日昼にまた断ってるところをそよかが見てたから、いずれ何か言ってくるんじゃないかとは思ってた」
言ってコーヒーを一口すする。

いつもそうだ。こうやってすべてお見通しで。なんだって出来てしまう人、それがわたしの幼なじみ、佐伯彬良(サエキ アキラ)。

いや、幼なじみという言葉には、正直違和感があって。だって———なじんでいないから。
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