続・マドンナブルー
その後、咲羅は仕事に精を出した。授業に部活にクラス担任も請け負っていた彼女の日常は、目が回りそうだった。しかし、長年の夢だった美術に携わる仕事に就いているということに満足した。もちろんランニングも続けた。ハーフマラソンを完走した次なる目標は、やはりフルマラソンに挑戦することである。

 長尾はというと、なんと彼に恋人ができた。言うまでもなく男性である。彼がカミングアウトしたときに居合わせた、同僚の教師なのである。そのことを、咲羅は照れ笑いを浮かべた長尾から、こっそりと教えられた。咲羅は自分に恋人ができたかのように、友人の幸せを喜んだ。

 冬となり年が変わった。しばしの息抜きである冬季休暇も終わり、ふたたび咲羅の日常は慌ただしくなった。そんな時期に、咲羅は杜家に招かれた。都内の出版社で副編集長として働く梅田が、週末を利用して急に仙台に戻ってくるというのである。彼と会うのは、一年半ぶりのことだ。
< 21 / 27 >

この作品をシェア

pagetop