白と黒と時々ピンク。
合コン
高校を卒業して3ヶ月が経とうとしていた。

挨拶の仕方から、契約書の書き方まで一通り出来るようになった。

僕は結局、知り合いの会社に入社をした。

『とりあえず研修期間が3ヶ月あるから、それから考えたら良いが?』それが入社の決め手となった。

右も左もわからない中、僕は取り敢えず言われた通りに行動した。

仕事はアポとクローザーに別れて行われる。

最初はアポ取りを徹底的にやらされる。ビックリする時間までインターホンを押し続ける。

少しナンパに似ているなと思った。

多少、胡散臭いニュアンスの言葉使いに嫌気が指すこともあったが、僕はビギナーズラックで初月から好成績を残した。

社長から『センスがある』と言われまんざらでもなかった。

給料日に見たことがない額のお金が手渡された。

今時、手渡しの会社は少なかったが、社員のテンションを上げるには現物を見させるのが効果的らしい。

良くも悪くも、そのギャンブル的な方法は嫌いではなかった。

しかも、この会社の良いところ?(コンプライアンス無視だが)給料は全社員の前で渡され金額まで読み上げられる。


『中岡ハル!62万8500円!』


盛大な拍手と共に、先輩社員に社長から怒号が飛ぶ。

『お前ら新人に負けて悔しくないんか?来月も負けたら覚悟しとけー!』

残念なことに僕のビギナーズラックは翌月も発揮された。

現に数人の先輩社員は社長の激に耐えきれず会社を後にした。

もう僕には、研修期間などという制度は適用されなかった。

6月に渡された給料袋にはハッキリと(中岡社員)と書かれていた。
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