トシノサ恋 ~永久に…君に~
やめてーっっっ!!

本当に??

「あ、そ、そっか…

うん、会えてよかった…。

私は、担任の奥平 紗和です。」

「えっっっ…担任になったの?!」

「えっ?」

彼は、後ろに仰け反るように

驚いて、私を見た。

「………?」

私の事…知ってた?

「いや、何ていうか恵が…

担任が来るってだけで…

だから…俺の担任があんただなんて…

全然思ってなくて…マジかよ…。」

「……でもさっき…目が合って…

私だと思って、来てくれたんだよね?」

「……あ、それは……何て言うか…

もしかして…って思って…。」

「…え?」

「いや、なんでもない…」

彼は、急にうつ向いて小さな声になった。

えっ…何?

う…ん?…という事は、最初から私が

白川南の教師って知ってたって事だよね?

なのに…

ずっと知らないフリしていたの?

本当につかめないかも…

さっきは、殴られるかもって思うくらい

勢いよく走ってきたのに…

昨日だって、あんなに暴れてたし…

それなのに、朝はあんなに美味しい

朝食を作ってくれた…。

「新井くん…

ちょっと話をしたいんだけど…

できるかな?

バイト、終わるまで待ってるから……

そこの向かいのファミレスで。」

「えっ、待ってる?

……バイト5時までだけど?」

えっ?5時?

まさか…そんなに長いとは…。

でも、このまま帰るなんて…。

「いいよ、待ってるから…。」

私は、そう言って新井くんを見上げた。

「……わかった。」

彼はそう言って、私に背を向けると

走って行った。

昨日、あんなに激しく殴りあってたのに

身体とか大丈夫なの?

「…さすが…すごい回復力…。」
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