トシノサ恋 ~永久に…君に~
永久に僕は君に誓う
「先生さようなら~!」

「さよなら、気を付けて帰ってねっ。」

子供達の後ろ姿に手を振って見送ると

教室に戻って、残りの仕事を片付ける。

図工で子供達が描いた絵を壁に貼る。

「…皆、上手に描いてある…」

壁に貼りながら、自然と笑みがこぼれた。

それから、明日の授業の準備をして

時計を見ると、18時をまわっている事に

気付いた。

「…もう、こんな時間……」

机の上を片付け、荷物をまとめると

急いで帰り支度をして学校を出た。

夕方とはいっても7月になると

外はまだ、蒸し暑かった。

帰り道が夕日に照らされている。

空を見上げると、綺麗な茜色だった。

「…わぁ…キレイ」

そう呟いて、また帰り道を一人で歩き出す…。

周りが海に囲まれていて、あるのは民家と

畑…そして、商店がいくつかあるだけだ。

コンビニやスーパーは、町の中心の方に

行かないとない。

この町の小さな小学校に勤めてから

4年…。

全校生徒、50人にも満たない小さな学校。

早いもので、あの日から

5年が過ぎようとしていた…。

去年、勝平が上海から帰って来たという

話を日向子から聞いた。

彼とはきっと、もう会うことはないけれど

頑張っていると知って、嬉しかった。

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