ホテル御曹司が甘くてイジワルです
言いながら、涙が込み上げてくる。
きっと館長は私の中にある葛藤に気付いてる。
言葉にも態度にも出したことはなかったのに、どうして館長は私の中の迷いに気付いてしまったんだろう。
「夏目さん。ここを辞めることを考えているんだろう?」
「館長……」
「由美子さんという頼もしい仲間も増えたし、これからもこの場所は僕が責任を持って守っていくから、大丈夫だよ。ここに帰ってくればいつだって迎えてあげるから、安心して清瀬さんについていきなさい」
館長と由美子さん、ふたりにやさしく笑いかけられ、こらえきれなかった涙があふれてしまった。