ホテル御曹司が甘くてイジワルです
ふたりが帰った後、由美子さんと私のふたりで興奮気味に盛り上がる。
「すごいですね! ここを大好きだと言ってくれた中学生の娘さんが、このプラネタリウムで結婚式をあげてくれるなんて」
「本当に、奇跡みたいな話ね」
きゃっきゃと盛り上がる私たちを見て、館長が穏やかに笑っていた。
「……この場所を、守り続けてよかった」
ぽつりとこぼれた言葉の重みに胸が熱くなる。
「夏目さんのおかげだね。ありがとう」
「いえ、私のおかげだなんて。ここは館長が守り抜いたんですよ」
静かな感謝の言葉に、慌てて首を横に振る。そんな温かい声で言われたら、泣いてしまいそうだ。
「もう夏目さんは、世界中のどこにでも胸を張って出ていける、立派な星座解説者だね」
「そんなことないです。私はまだまだ半人前で、館長に教えてもらいたいことがたくさん……」