ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「私たちふたりはご列席くださった皆様の前で結婚式を挙げられることに感謝し、ここに結婚の誓いをいたします」
堂々とした声で言った清瀬さんに、胸がいっぱいで涙があふれそうになってしまう。
これはただの模擬挙式なのに。
「私清瀬昴は、生涯真央さんを愛し続け幸せにすることを誓います」
「私夏目真央は、生涯昴さんのそばで支え続けることを誓います」
予定された言葉を口にしているだけなのに、感極まって声が震えてしまった。
なんとか誓いの言葉を言い終えた私に、館長が穏やかな笑顔を浮かべうなずいた。
「ふたりの宣誓と共に夜が明け、新しい朝がやってきました」
顔を上げると、ドームの東側に朝やけが映し出されていた。暗かった夜空が白々と明るくなっていく。
「ふたりの新しい門出に、大きな拍手を」
館長の言葉に、ドーム内は大きな拍手に包まれた。
まるで夢をみているような、幸せな時間だった。