ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「す、すみません……!」
せっかくこんなに素敵なオーベルジュに泊めてもらえたのに、部屋に入った途端熟睡してしまうなんてもったいなさすぎる。
「いいよ。突然挙式をするなんて無理をさせたし、ここにならいつだって泊まれるから気にするな」
指先で私の髪をなでながら、柔らかい声でそう言ってくれた。
「挙式をする予定だった山口さんから連絡がきたよ。星奈さんもお腹の赤ちゃんも問題なく元気だって」
「よかった……」
ほっとして笑顔になると、清瀬さんが手を伸ばし髪をなでてくれる。
「今回は残念だったけど、落ち着いたらまたぜひあの場所で挙式をしたいって言っていた。それから親父もほめていたよ。素敵な式だったって」
そう言われ、プラネタリウムドームの中で行われた模擬挙式を思い出す。
「本当に素敵な式でしたよね。模擬挙式だってわかってるのに、感動して泣いてしまいそうでした」
今思い出すだけでも、鼻の奥がつんと痛くなってしまう。