冷徹社長は溺あま旦那様!? ママになっても丸ごと愛されています
頑なに首を横に振る。籍を入れるまでは他人。他人の男と娘が一緒のお風呂に入るなんて許せるか、ということらしい。目線が混乱している。
おむつですら、替えたくてたまらないくせに『けじめだから』と手をつけようとしなかったのを、『保育園の先生にも男性はいるからおかしくない』という私の説得で、ようやく自分に許した徹底ぶりだった。
「入籍といえば、例の電話をくれた女性だけど」
「今、弁護士経由で調査会社に依頼してるよ。名誉棄損で訴えられてもしかたないレベルのことをしてくれたわけだし」
「それ、ちょっと待ってくれる? もしかしたらって思う人がいるの。明日確認してみる」
了がじっと私を見つめる。
「……危ないことはしないでね」
「もちろん。了も言ったとおり、危ないのは向こうのほうよ。それとね、さっき行ったスーパーで、真紀に会ったの。このへんに住んでるみたい」
「神野さんに!? すごい偶然だね、なにか話した?」
私は「ううん」と首を振った。
「私の顔を見て、すぐに行っちゃったの。お腹に子どもがいるように見えた。たぶん六か月とか七か月とか、そのくらい」
へえ、と了が驚きの声をあげる。
「それが編集長を辞めた理由なのかな?」
「わからない、でも……」
唇を噛んだ。真紀の顔を見たとき抱いた違和感と、不安。
「幸せそうじゃなかった」
いつでも自信に満ちた人だった。仕事が好きで、自分を誇っていて、けっして家庭的には見えないわりに旦那さんとは円満で、スーパーキャリアウーマンを地で行くのが真紀だったのに。
「連絡はとれないの?」
「それができる関係だったら、私も会社を去らずに済んでたかもね」
自嘲した私に、了が「ごめん」と硬い声を出した。私は慌てて「ううん」と微妙な空気を振り払った。
おむつですら、替えたくてたまらないくせに『けじめだから』と手をつけようとしなかったのを、『保育園の先生にも男性はいるからおかしくない』という私の説得で、ようやく自分に許した徹底ぶりだった。
「入籍といえば、例の電話をくれた女性だけど」
「今、弁護士経由で調査会社に依頼してるよ。名誉棄損で訴えられてもしかたないレベルのことをしてくれたわけだし」
「それ、ちょっと待ってくれる? もしかしたらって思う人がいるの。明日確認してみる」
了がじっと私を見つめる。
「……危ないことはしないでね」
「もちろん。了も言ったとおり、危ないのは向こうのほうよ。それとね、さっき行ったスーパーで、真紀に会ったの。このへんに住んでるみたい」
「神野さんに!? すごい偶然だね、なにか話した?」
私は「ううん」と首を振った。
「私の顔を見て、すぐに行っちゃったの。お腹に子どもがいるように見えた。たぶん六か月とか七か月とか、そのくらい」
へえ、と了が驚きの声をあげる。
「それが編集長を辞めた理由なのかな?」
「わからない、でも……」
唇を噛んだ。真紀の顔を見たとき抱いた違和感と、不安。
「幸せそうじゃなかった」
いつでも自信に満ちた人だった。仕事が好きで、自分を誇っていて、けっして家庭的には見えないわりに旦那さんとは円満で、スーパーキャリアウーマンを地で行くのが真紀だったのに。
「連絡はとれないの?」
「それができる関係だったら、私も会社を去らずに済んでたかもね」
自嘲した私に、了が「ごめん」と硬い声を出した。私は慌てて「ううん」と微妙な空気を振り払った。