冷徹社長は溺あま旦那様!? ママになっても丸ごと愛されています
「私こそごめん、言いかたがまずかった」
「神野さんも、不本意な形でポジションを追われたんじゃないといいけど」
「そこよね、私も気がかりで……」
恵の泣き声が聞こえ、ふたりともはっとした。目が覚めてしまったぐずりより激しい。見慣れない景色でびっくりしたんだろう。
腰を上げた私を、先に立ち上がった了が手で制した。
「俺、あやしておくよ。早織はゆっくり食べてて」
「いいわよ、私がやる。どうせ今夜は眠れるなんて思ってなかったもの」
保育園でも最初の数カ月、昼寝をしなかった頑固な恵だ。新居でいきなり熟睡できるなんて期待はしていなかった。
子連れの当然の心構えとしてそう言うと、了はショックを受けたような顔で言葉を失い、それから私の肩に手を置いた。
「もうひとりじゃないんだよ、忘れないで」
はっとして彼を見上げた。困ったような、悲しんでいるような微笑みが見返す。
彼の手の温度が、全身を温めてくれる気がした。
* * *
「おはようございまーす、『ユアライフ』の真琴でーす」
翌朝、約束していた朝七時半にまこちゃんがやってきたときは、私も了も一睡もしておらず、くたくただった。
了はもう出勤する時刻のため、シャワーも浴びて身づくろいを整えている。顔に刻まれた疲労は隠せず、しかしどことなく満足そうだ。
私は了を見送るのと同時に、玄関でまこちゃんを迎えた。
「おはようございます、真琴さん、よろしくお願いします」
「恵、今眠ったばかりなの。当分起きないかも」
「ありゃ。じゃあ楽させてもらっちゃうから、作り置きおかずでも作っておくよ。了さん、行ってらっしゃーい」
まこちゃんの装いはシンプルだ。アイメイクはばっちりしているものの、リップは控えめ、つややかな髪はうしろで束ね、白いシャツにデニム。そうすると中性的な雰囲気が増し、きょうだいながらなんとも不思議な魅力だ。
了と入れ替わりに部屋へ上がってくる。
「神野さんも、不本意な形でポジションを追われたんじゃないといいけど」
「そこよね、私も気がかりで……」
恵の泣き声が聞こえ、ふたりともはっとした。目が覚めてしまったぐずりより激しい。見慣れない景色でびっくりしたんだろう。
腰を上げた私を、先に立ち上がった了が手で制した。
「俺、あやしておくよ。早織はゆっくり食べてて」
「いいわよ、私がやる。どうせ今夜は眠れるなんて思ってなかったもの」
保育園でも最初の数カ月、昼寝をしなかった頑固な恵だ。新居でいきなり熟睡できるなんて期待はしていなかった。
子連れの当然の心構えとしてそう言うと、了はショックを受けたような顔で言葉を失い、それから私の肩に手を置いた。
「もうひとりじゃないんだよ、忘れないで」
はっとして彼を見上げた。困ったような、悲しんでいるような微笑みが見返す。
彼の手の温度が、全身を温めてくれる気がした。
* * *
「おはようございまーす、『ユアライフ』の真琴でーす」
翌朝、約束していた朝七時半にまこちゃんがやってきたときは、私も了も一睡もしておらず、くたくただった。
了はもう出勤する時刻のため、シャワーも浴びて身づくろいを整えている。顔に刻まれた疲労は隠せず、しかしどことなく満足そうだ。
私は了を見送るのと同時に、玄関でまこちゃんを迎えた。
「おはようございます、真琴さん、よろしくお願いします」
「恵、今眠ったばかりなの。当分起きないかも」
「ありゃ。じゃあ楽させてもらっちゃうから、作り置きおかずでも作っておくよ。了さん、行ってらっしゃーい」
まこちゃんの装いはシンプルだ。アイメイクはばっちりしているものの、リップは控えめ、つややかな髪はうしろで束ね、白いシャツにデニム。そうすると中性的な雰囲気が増し、きょうだいながらなんとも不思議な魅力だ。
了と入れ替わりに部屋へ上がってくる。