その花が永遠に咲き続けますように
だけど正直、彼が見せてくれる限定版のCDが魅力的なのも確かだ。
曲は聴いたことはあるけれど、ジャケットも歌詞カードも間近で見てみたい。触れてみたい。


じーっとそれを見つめていると「貸そうか?」と彼に言われる。しまった、私そんなに物欲しそうな顔してたのかな?



「い、いい。別に」

「そう?」

本当は借りたいけれど、彼との距離感にこれ以上踏み込みたくないから断る。


その決意が揺らがないようになるべく目も合わせないようにしていたのだけれど、


「じゃあ、俺からのお願い。借りてください。お願いします」


なんて言うから、思わず「はっ?」と彼に思い切り振り向いてしまった。


「このCDについて思い切り語り合いたいから、是非借りてください」

「え、えぇ?」

お願い、というよりは強引な命令な様に感じた。実際、戸惑っている私の腕に、CDをぐいーっと充ててくる。お願いする人の態度じゃないな、と感じた。

最終的には、彼は私の鞄をサッと勝手に開けて、CDを突っ込んだ。


「ちょ、ちょっと!」

「聴くまで返品不可」

どこか意地悪く笑いながらそう言うと、彼は携帯をいじり始める。

今日こそは壁を作ろうと決めていたはずなのに、私の心は早々に折れ、諦めてCDを借りることになった。
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