その花が永遠に咲き続けますように
【……咲にはもう、新しい仲間がいるんだろ?】

「うん。だからその三人と、私と、そして永君の五人でバンドを組みたいの」

【……】


顔は見えないけれど、彼が明らかに困っているのは伝わってくる。
困らせて申し訳ないと思うのと同時に、俺はやらないと即答しないということは彼も迷っているんじゃないかと感じる。



「……永君、困らせてごめん。だけどもしバンドをやってくれるようなら、十八日の放課後、駅前のファミレスに来て。待ってるから」


彼は何も答えなかった。
私はそのまま通話を切る。



ーー私のわがままなのはわかってる。もう彼と組まないことは、一度は理解したはずなのに、こうしてわがままを言っている。



でも、どうかーー




どうかーー。
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