不器用なキミ~向日葵の恋~
結局彼女に選んでもらったテーブル雑貨のセットをプレゼント用に包んでもらってる間にふと思ったんだ。

この後お店を出たらまたこれっきり会えないんだよな?

そんなすぐにまたプレゼントを贈る相手もいないし、だからと言ってここの雑貨は男である僕の趣味ではないし……。

なんか僕がこの店に来なければ、もう会う事はないのかな……そう思うと自然に声を掛けていた。

「あの……どこかでお茶しませんか?」

「え……」

自分で声を掛けて何だけど、自分でも驚いた。

まさか出てきた言葉が、お茶しようなんて……恥ずかしい。

「あ、無理ならいいんです」

もう穴があったら入りたいって言うのは、こういう時に使うんだと痛感した。

「ふふっいいですよ」

「え……」

「ちょっと待っててくださいね」

購入したプレゼントを手渡されて呆然としてる間に、彼女は店の奥に行ってしまって、少しすると小さな鞄を持って出てきたんだ。
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