珈琲プリンスと苦い恋の始まり
そうすれば、早く亡くなった方も心配がないし、情も浅いと心残りが少ないで済む。
生きてる方も直ぐに忘れてしまえるだろうし、双方の立場からしてもそれが一番いいことだと思うから。


無言で考えていると彼は車を走らせつつ脇見をして。


「そういう言い方は可愛くないよな」


呟くと更に言葉を足した。


「昼間の君はもっと可愛かったよ。儚げで頼り無さそうで」


本来の君はそっちじゃないのか?と問われ、流石に呆れ返りそうになった。


「儚い?私が?」


クッ…と笑いを噛みしめる。
振り返った彼の顔が真面目そうで、吹き出したら駄目だと感じた。


「君は自分でも気づいてないんじゃないのか?俺は君の写真を見ても同じ様に思ったし、昼間の話を思い出しても君はこの世に失望してるとしか感じないんだけど」


特に人を避けてるみたいだ、と言われ、ギクッと胸が軋んだ。


「君は肉親を二度も突然死で亡くした。俺には同じ様な経験がないからそのショックの大きさは理解しづらい。

君のように死が側にあるものとして考えれないし、人生はずっと先まであるものだと信じてる。

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