惑溺オフィス~次期社長の独占欲が止まりません~
◇◇◇
「俺はこっちに寝るから、香奈はベッドで寝るように」
お風呂を済ませた陽介さんが、毛布を手にしてリビングに戻る。それを傍らに置き、「ベッドルームに案内するよ」と言った。
「そういうわけにはいきません! 私がソファで大丈夫です!」
主である陽介さんを差し置いて、私がベッドに寝るわけにはいかない。
「強引にここに連れてきたのは俺だから」
「それを言うなら、私は助けていただいたんですから」
ここへ来なければ、強制的に兄の部屋へ行くことになっていただろう。そうすれば、また同じことの繰り返し。
「いいから、香奈はこっち」
手を引っ張られて連れられたのは、リビングの隣にあるベッドルームだった。十畳以上はあるスペースの真ん中にベッドが置かれ、余計な装飾のないさっぱりとした部屋だ。