『桜庭准教授的”好き”の理論《short ver.》』
そしてあの時、——ゼミ活当日、途中で抜け出していく彼女の背中を、男は追わずにはいられなかった。

その後、そんな彼女が自分の思考をこよなく愛す、ストーカーだった事を知った時、男は不思議と嫌悪感ではなく、歪んでいるとは思いつつ、愛おしさを覚えたと言う。

それから彼女を手に入れるために、男は外堀から埋めていき、徐々に攻め落としたのだと後に語った。

そんな男の隣には、スヤスヤと気持ちよさそうに眠る彼女の姿があった。


「やっと手に入れた」


好意が相手にバレないようにと隠していたのは、自分の方だと男は自嘲気味に笑う。

優しく彼女の左手をすくい上げるとその薬指に、そっと彼女のサイズに作らせた指輪をはめる。

そして愛おしそうに、彼女のこめかみにキスを落としながら男は思う。

これからは共に朝を迎えよう、と。






エピローグ fin.
< 58 / 58 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:8

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

back number

総文字数/9,954

青春・友情23ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
初めはわたしだけが知っていた。 だけど、いつしかそれは誰もが知っていた。 ようやくハルへの気持ちを自覚した頃には、 いつの間にか彼はわたしには到底手の届かない場所に立っていた。 誰よりも近くに居たはずのあの日々から、 わたしだけが未だに囚われ続けている。 それを何より物語るのは——、 ハルへの気持ちが募るのと比例して、 部屋の片隅に積み重なっていく音楽雑誌のバックナンバー。 ----------キリトリ線---------- P.S.あの日の約束は、君の中でまだ有効ですか。 ----------キリトリ線----------
表紙を見る 表紙を閉じる
「——酷い人、」 そこに愛なんて無い癖に、 惚れた弱味に漬け込んで、 私の耳元で囁き続ける嘘つきな男。 まるで悪魔の囁きの様。 そんな男に振り回される愚かな私は、 ——何て馬鹿げているんだろう。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 彼 の 口 か ら 放 た れ る 、 「 好 き 」と い う 名 の 鋭 利 な ナ イ フ が 、 今 日 も 私 に 深 く 突 き 刺 さ る 。 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop