しふぉん・けーき
「じゃあ、早速本題に入るけど。
なっちゃんは、ハリブレッドだったよね?」

「う、うん」

まさか、もう、関わらないでほしいとか言われるのだろうか・・・?

「だから、どうこうってわけじゃないんだけど。
ていうか、前々からなっちゃんがハリブレッドだっていうのは知っていたしね」

「え?」

じゃあ、知ってて近づいたってこと・・・?

「なぜ、知っているかって顔してる。
その答えはね、僕の組織は人権に関する保護組織なんだ。
そして僕はこの組織のNo2のポジションにいる。
で、その内容が例えば、なっちゃんのようにハリブレッドは普通の人間ととけこみやすいんだ。
今ではハリブレッドの風習を普通の人間のなかに溶け込んで、ハリブレッドの人たちも普通の人達と変わらない体質になっているんだ。
だから、ハリブレッドとそうじゃない人の差が明確じゃないんだ。
多分、その人たちの価値観が違うから、差別がおきてしまうんだと僕は考えているんだよ?」

難しすぎて、何を言っているのかわからないが、ただ、ハリブレッドと普通の人間は今では何もかわらないんだっていうこと。

「で、僕は差別がおきてはいけないと思っている。
そのために活動をしているんだ。
例えば、公演を開いたり、お祭りをしたりして、それぞれの価値観を触れていく。
でも、それでもまだ差別がおさまらないんだ。
人それぞれに価値観があるからね。これは仕方のないことなんだよ
でも、この前みたいに人を傷つけて平然といるやつは、体を張ってても止めなきゃいけない。
そのために、かわそうだけど、力づくで制圧をしたりすることだってあるんだ」
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