しふぉん・けーき
「そんな危険なことを、どうして高校生の真君がしなきゃいけないの?」

「さっきも言ったと思うけど、それが僕の仕事なんだ。
でも、高校生でもどんなやつでも、誰かがやらなくちゃいけないことがこの世の中にはたくさんあるんだ。僕はただそんなやらなくちゃいけないことを率先してやりたい。ただそれだけ。
もちろん、辛いことだってあるよ。
でもね、辛いことも楽しいこともあるから、僕は続けられるんだと思う。
だって、僕がやったことが誰かの役に立つなら、こんなうれしいことはないと思うもん」

そう話す真君の瞳はとても輝いているように感じた。

「それに、僕一人じゃないしね。
ここには、仲間もいるし、学校や喫茶店に行けばなっちゃんがいるし。
結構恵まれているんだなって思うんだ、僕」

そんなことを言える真君はさすがだと思う。

「すごいね、真君」

思わず、そうつぶやく。

同じ高校生とは思えない。

「そうかな?
でも、僕はなっちゃんがすごいと思うよ。
都をとらえに行ったとき、なっちゃんは真っ先に僕に駆け寄って、しかも都に歯向かったし。
あのときのなっちゃん。ほんとうにカッコよかったよ!!」

「え・・・?」

「だから、自信をもったらいいとおもうよ。
僕は決してなっちゃんを避けたりなんかしないから★」

真君のその一言に、どこか肩の荷がおりたように感じた。

あぁ、私はずっとその言葉がほしかったんだ。

ちゃんと私のことを見てくれていると感じる。

「うん・・・!!ありがとう、真君」
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