しふぉん・けーき
「やっぱり、おくられたんだね?」

「うん。
今日の1時間目から・・・」

「そのメール見せて」

と真君が手を差し出す。

私は素直に携帯電話を真君に渡すと、真君は携帯の操作を無言で行う。

「もう、お昼休みの時、なんで言ってくれなかったの?」

「ご、ごめんなさい。
真君に迷惑をかけたくなかったから・・・」

「んなわけないじゃん」

「ううん。小・中学のとき、同じことがあって、人に相談したんだけど聞いてくれなくて・・・それどころか、暴言・暴力を学年全員にされて・・・迷惑とか言われたことがあるから・・・」

「それで、今度は迷惑をかけたくないって思って言わなかったの?」

「うん」

すると、真君から軽く脳天チョップをくらわされた。

「バカ」

と一言。

「え?」

「過去にそういうことがあって、心の傷が深く刻んでしまったのなら、悪いけどその傷は一生消えないよ。たとえ、どんなに時を超えても。
でもね、なっちゃん。
世の中、そんな薄情なやつばかりじゃないんだよ?
僕も大も、なっちゃんの味方になる。
だから、悩んでいることがあるならちゃんと口に出して言ってくれなきゃ、僕たちわかんないし伝わらないから、ちゃんと言ってね」

「うん・・・」

私は、なぜか今まで溜まっていた涙を全部溢れるように流れていた。
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